木造建築における伝統的接合法の強度発現機構の解明及びそれに基づく補強法の開発
Project/Area Number |
05J04347
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林産科学・木質工学
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
宇京 斉一郎 独立行政法人森林総合研究所, 構造利用研究領域, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 伝統的接合法 / 鎌継 / 追掛大栓継 / 引張耐力 / 画像相関法 / ひずみ分布 / 応力集中 / 腰掛け鎌継 / 応力-ひずみ関係 |
Research Abstract |
前年度に実施した鎌継の引張実験に引き続き、せん断面積及び圧縮力が作用する面の寸法を変化させた追掛大栓継の引張実験を行い、画像相関法を用いてひずみ分布の計測を行った。また接合部を作製した部材のせん断強度を測定し、部材のせん断強度と引張耐力の関係について考察を行った。結果は以下の通りである。 1.強度発現機構 追掛大栓継ではせん断面の繊維方向長さが増すと引張耐力は増加し、同様に繊維方向長さを増加させても耐力が頭打ちとなった鎌継と異なる結果を示した。 鎌継と追掛大栓継のせん断面におけるひずみ分布を比較すると、鎌継ではせん断ひずみが大きい箇所で繊維直交方向の比較的大きい引張ひずみが生じることが確認されたが、追掛大栓継では荷重終盤に局部的な破壊が生じるまで同箇所での引張ひずみは微小な値に留まった。このことについて有限要素法を用いて検討した結果、追掛大栓継の目違いが部材の回転変形を抑制し、繊維直交方向の引張変形を抑制する効果があることを明らかにした。追掛大栓継ではせん断応力による単一の応力、鎌継ではせん断応力と引張応力の複合応力が要因となって初期破壊に至ることが明らかとなった。 2.幾何学的パラメータによる引張耐力の推定 画像相関法によるひずみ分布の測定結果および有限要素法による解析結果を用いて、せん断面の寸法とせん断応力集中の関係を求めた。弾性域の応力分布から求めた応力集中係数と部材のせん断強度(いす型せん断試験体より求めた強度)を用いて耐力の推定を行った結果、鎌継では推定値と実測値とは比較的良く一致した。一方、追掛大栓継においては、推定値が実際の引張耐力より低くなったものの、せん断面積の増加とともに推定値が増加する傾向を示した。鎌継と追掛大栓継では破壊機構が異なるため、予測された荷重レベルは異なるが、弾性域のせん断応力の集中を考慮することによって耐力を推定できることを確認した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)