絵画的奥行知覚における手掛り間の相互作用と運動情報の影響:比較認知発達の観点から
Project/Area Number |
05J04414
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊村 知子 関西学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 絵画的奥行手がかり / キャストシャドー / 線遠近法 / 比較認知発達 / マカクザル / チンパンジー / 乳児 / 比較認知 / 知覚発達 |
Research Abstract |
写真やテレビ画像のような2次元平面からの3次元形状や空間配置の知覚、すなわち絵画的奥行知覚に関して、文化的な経験の影響が示唆されてきた。それに対し本研究では、その生物学的成立基盤を明らかにするため、ヒトの成体と乳児、チンパンジーの成体を対象とし、絵画的奥行知覚の系統発生的、個体発生的起源を「比較認知発達」の観点から検討してきた。18年度は、特に成体を対象に線遠近法と影(キャストシャドー)とその運動情報の相互作用に関して検討した。 ヒトの成人を対象とした研究では、キャストシャドーによって引き起こされる対象の見かけの接近運動、あるいは後退運動の知覚の非対称性を示した。視覚探索課題において、接近運動を後退運動の中から検出する方が、その逆に比べ検出が容易であるという探索非対称性が得られた。この結果は、対象の大きさの変化によって生じる接近、後退運動知覚の非対称性とも一致するものであり、危険の回避など生物にとって重要な意味を持つ接近運動の検出の優位性を支持するものであった。本研究は日本基礎心理学会第25回大会にて発表し、優秀発表賞を受賞した。今後、本研究の結果を踏まえてチンパンジーの成体を対象とした比較研究をおこなうつもりである。 また、チンパンジーとヒトの成体を対象に、対象の大きさの相対的な判断における背景の線遠近法や対象のキャストシャドーの位置の効果を検討した。背景に線遠近法が含まれた条件では、2つの対象のうち「遠く」の対象の方がより大きく知覚されるという大きさの恒常性の錯視がチンパンジーとヒトでともに見られた。さらに、1個体のチンパンジーでは、線遠近法に加え、キャストシャドーの位置により対象が遠くにあるように知覚される場合でも同様に大きさの恒常性の錯視が生じた。以上の結果は、チンパンジーも複数の手がかりをもとに対象の大きさの判断をおこなっていることを示唆するものであった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)