Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
今年度は言語の多様性,文法の多様性に注目し,格および副詞的構文を中心に多言語を扱う言語類型論に基づく研究を行った.フイン=ウゴル語に加え,アジア,アフリカ,太平洋地域,特に珍しい格の多いオーストラリアの現地語のデータを収集した.まず,副詞格の用法と関連して,比較構文と類似構文に関して言語類型論に基づく調査をし,「日本言語学会」にて発表をした.続いて,昨年度からの継続の研究として,「格の多様性」に関して,オーストラリアの研究者と共同研究を行い,「国際認知言語学会」にて発表した.さらに,格の多様性を考察するにあたり,格を持たない言語に注目した.具体的には,中国語,スペイン語,さらに太平洋地域のオーストロネシア語の文法データを収集した.次に,格の調査に加えて,その対象を他の言語構造に広げ「典型的なユーラシア言語とは何か」を探る研究を行った.これは「言語構造のワールドアトラス」(World Atlas of Language Structures)という資料を使用し,ユーラシア地域の言語を地域的・語族的に妥当なサンプリングをし,22言語抽出した.それら22言語に関して,格の数や語順,受動の有無等,12の文法的特徴を調査して,ユーラシア言語に特に観察される特徴を探した.その結果,ハンガリー語やフィンランド語のフィン=ウゴル語は典型的とは言い難く,日本語やトルコ語などが典型的なユーラシア地域の言語であると論じた.
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