Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本年度は,主に量子系の相関の基礎的研究に従事し,部分系が持つ相関の情報に関する成果を得た.特に,古典,量子系を含む一般確率論に基づく相関評価の静的なクライテリオンを示し,また量子力学系の動的な相関評価の方法を提案した.これに基づく量子暗号への応用が期待される.実際,正規ユーザーは盗聴者の系との相関の有無を自らの系の情報から判定する必要がある.静的評価の方法は,局所性の仮定のみから導かれるため,仮に今後量子論を超える現象が見つかった場合にも適用可能なものとなっている.動的な評価は,Schroedinger方程式に基づく相関検出の可能性を示したものであり,非有界なHamiltonianにも適用可能な一般論を構築した.本研究は,量子開放系のデコヒーレンスに対する相関の役割をも明らかにし,有界なHamiltonianに関しては,デコヒーレンスに対する相互情報量を用いた定量的評価も与えた.また,Mean King's Problemに関する問題に進展があり,エンタングルメント(量子相関)を利用しない場合の成功確率の評価を行った.その他に,乗法的保存量存在下における測定への制限を示し,Wigner-Araki-Yanase定理の拡張を行った.この結果は,加法的保存量に対する結果を系として含むほか,時間発展に対する定常的な状態存在下における測定の制限なども演繹する.また,完全相関,単射相関,及び関数相関の導入と定式化に関する成果を得ている.
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