形状記憶合金の相転移現象を記述する方程式系に対する調和解析的手法を用いた研究
Project/Area Number |
05J04694
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 周二 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 熱弾性方程式系 / 放物型方程式 / 最大正則性 / 解の存在と一意性 / 初期値境界値問題の適切性 / 相転移 / 性形状記憶合金 / 非線形偏微分方程式 |
Research Abstract |
今年度の主たる研究は、ポーランド科学アカデミーのI.Pawlow氏とW.M.Zajaczkowski氏との共同研究で、粘性付きの2次元及び3次元形状記憶合金方程式の可解性について考察した。この方程式は、金属の変形と温度の分布が相互作用するいわゆる熱弾性の非線形偏微分方程式であり、特に形状記憶合金の相転移現象を表現したものである。形状記憶合金の持つ性質のエッセンスを単純な多項式で表現したFalk-Konopkaの非線形項と呼ばれるものがある。我々の研究の目的はこの非線形項をもつ形状記憶合金方程式の解の存在と一意性を示すことである。 特に、ここでは既存の結果で取り扱われてきた非線形項よりも一般化された非線形項を取り扱う。この非線形項に対して導出される方程式は一般に準線形方程式になる。これまではこの準線形方程式を半線形化した方程式に対しての結果しかなかったが、最近PawlowとZajaczkowskiはこの準線形方程式の解の存在と一意性に対しての結果を発表した。しかし、彼らの結果は非線形項の冪に強い仮定を必要とする上、証明に不十分な点が幾つかあった。 我々の結果は、この証明のギャップを埋め、更に冪の仮定も改善することに成功したというものである。この結果における非線形項の冪の仮定は、Falk-Konopkaの非線形項は取ることが出来ないが、これに十分近い性質のものをとることが出来るようになった点が重要である。またどのようにギャップを埋めたかであるが、彼らの証明の不十分な点は大きく二つあり、一つは境界を含めた正則性をきちんと評価していない点、二つ目は温度の非負値性を証明していない点であった。一つ目についてはClement-Liの時間局所解を利用し、二つ目については弾性方程式の切断問題を考察することで、これを解決した。この結果については既に論文にまとめ現在投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)