Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
電解質マイクロプラズマを用いて,DNA内包カーボンナノチューブの創製とその特性評価に関する実験を行った. 1.電解質マイクロプラズマ利用DNA内包カーボンナノチューブ創製実験 (1)昨年度確立したDNA負イオンを含む電解質マイクロプラズマ中イオン照射法を用いて,DNA内包カーボンナノチューブ創製実験を行った.DNAを構成する4種の塩基(アデニン,グアニン,チミン,シトシン)はそれぞれ異なる特性を有しているため,塩基独自の特性をカーボンナノチューブに反映させることが可能になると考えられるため,本年度はDNAの塩基配列に着目し実験を行った. (2)異なる励起波長によるラマンスペクトルによってDNAを内包したカーボンナノチューブを評価した結果,塩基の種類によって異なるカーボンナノチューブのラマンスペクトル変化が観測された.この結果は,DNAがカーボンナノチューブに内包している間接的な根拠であると言える.特に,グアニンを含むDNAを内包させた場合,その著しいスペクトル変化が確認された.グアニンは他の塩基に比べて電気的特性が異なり,このことが反映されたものと考えられる. (3)透過型電子顕微鏡中におけるDNA内包カーボンナノチューブの元素分析を行った結果,DNAを構成するリン酸基に由来すると考えられるリンを検出した. 2.DNA内包カーボンナノチューブの特性評価 (1)DNA内包カーボンナノチューブの電気特性評価に先立ち,DNAを構成する塩基とカーボンナノチューブ間の相互作用を明らかにする実験を行った.半導体単層カーボンナノチューブが架橋したマイクロ電極上に塩基分子をそれぞれ添加し,カーボンナノチューブの電気特性変化を観察した結果,グアニンの場合にのみカーボンナノチューブの電気特性に大きな変化が確認された.この結果は、これまで得られた研究結果を支持するものである. (2)上記(1)で得られた結果を元に,塩基配列を制御したDNA内包カーボンナノチューブの電気特性評価を行った.これまでに,グアニンとアデニンが交互に並んだ塩基配列を持つDNAを内包した場合、定量的解析には至っていないものの,カーボンナノチューブの電気特性変化が確認されている.
|