生葉における活性酸素を介したRubisco分解の分子機構
Project/Area Number |
05J04885
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 良平 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Rubisco / 活性酸素 / 低温ストレス / 光阻害 / タンパク質分解 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
Rubiscoの分解機構を解明することは、光合成機能と窒素経済の両面から、植物の生産性・栄養生理に直結する重要な課題である。しかし、Rubiscoが何を機に、どのように分解されるのかに関して統一的な見解は得られていない。 これまでに申請者は、低温感受性のキュウリの葉を低温光処理すると、光化学系Iの反応中心タンパク質PSI-Bの分解に伴い、Rubiscoが分解されることを見出した。さらに、その分解産物はin vitroとin vivoにおいて完全に一致したことから、このRubisco分解が活性酸素の直接作用によるものであることを実証してきた(Plant Cell Physiol. 2006)。 本年度は、活性酸素を介したRubisco分解という現象が、キュウリだけでなく高等植物全般において普遍的に起こりうる現象なのかを検証し、その結果に基づいて活性酸素を介したRubiscoの分解機構の一端を明らかにすることを目的とした。低温感受性のインゲンにおいては、キュウリと同様に、PSI-BおよびRubiscoの分解が観察された。一方で、低温感受性のトマト、ダイズ、イネではこれらのタンパク質分解は観察されず、さらに低温耐性のホウレンソウ、コムギ、シロイヌナズナにおいても分解は観察されなかった。次に、この植物種間差をもたらす要因を明らかにするために、活性酸素消去系酵素の活性、Rubiscoのコンホメーション変化などに注目して解析を行った。その結果、Rubisco分解の起こる植物(キュウリとインゲン)では、抗酸化酵素の活性低下、CO_2やMg^<2+>が結合していないフリーの不活性型Rubisco(E-form Rubisco)の割合の増加が見られたのに対して、Rubisco分解の起こらない植物(コムギとシロイヌナズナ)では、抗酸化酵素活性の維持、E-form Rubiscoの割合の低下が見られた。以上の結果から、低温ストレス下の葉における活性酸素を介したRubisco分解には、(1)抗酸化酵素活性の低下、(2)PSI-Bの分解、(3)RubiscoがE-formで存在すること、の三つの要因が複合的に関係していることが明らかとなった(in preparation)。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)