VEGFに誘導される細胞間接着崩壊におけるコフィリン活性調節機構とその役割
Project/Area Number |
05J04902
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 美穂 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | VEGF / コフィリン / Slingshot / LIMキナーゼ / アクチン細胞骨格 / 細胞間接着 / slingshot |
Research Abstract |
血管新生誘導因子であるVEGFは血管内皮細胞どうしの細胞間接着を崩壊させ、血管新生の第一段階である血管内皮細胞の遊走や、血管透過性の亢進により血管内外へのガン細胞等の浸潤促進を引き起こすことが知られている。しかし、VEGF刺激による細胞間接着崩壊へのシグナル経路は未だ良くわかっていない。細胞の免疫蛍光染色により、細胞間接着部位にはコフィリンおよびそのホスファターゼであるSlingshot1(SSH1)が集積し、LIMキナーゼ1(LIMK1)はその部位にだけ存在しないこと、また、VEGF刺激により細胞間接着崩壊後の細胞先導端でコフィリン、SSH1およびLIMK1が共局在するようになることが観察された。以前にVEGFはMAPKAPキナーゼ2(MK2)を介したLIMK1の活性化を誘導するが、細胞内でSSH1、LIMK1およびMK2は三分子複合体を形成しており、精製タンパク質を用いた実験からLIMK1とSSH1は直接結合していないことがわかった。これらは細胞内においてVEGF刺激により結合量が変化し、それはVEGF刺激に誘導されるLIMK1およびSSH1の活性化と相関していた。そしてMK2はSSH1のカルボキシル末端側に結合し、SSH1のアミノ末端側をリン酸化し、MK2はSSH1を活性化させるが、LIMK1はSSH1をリン酸化せず、活性には影響しなかった。一方、SSH1はMK2およびLIMK1を脱リン酸化しないことが明らかになった。これらの結果から、VEGF刺激に誘導される細胞間接着崩壊時にMK2とSSH1およびLIMK1が結合し、MK2によりSSH1とLIMK1が活性化されることで、細胞先導端でコフィリンのリン酸化・脱リン酸化のサイクルが早くなり、アクチンのターンオーバーが促進されて細胞形態のダイナミックな変化や細胞遊走が促進されると示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)