Project/Area Number | 05J04999 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
山下 修治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost : ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005 : ¥1,000,000 (Direct Cost : ¥1,000,000)
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Keywords | 天然物化学 / 収束的合成 / シガトキシン / 巨大縮環ポリエーテル / 0,S-アセタール / ラジカル環化反応 / エノールエーテル / アシルラジカル |
Research Abstract |
シガトキシンをはじめとする巨大縮環ポリエーテルは、特異な構造と強力な生理活性のため、世界中で盛んに研究されている。しかし、自然界からの単離が困難であることが障害となり、生物学的研究は立ち遅れている。有機合成による天然物の供給が、関連分野の研究を進める唯一の手段である。 世界中で合成研究が行われた結果、最近これら天然物の全合成が達成されるようになった。しかし、その合成工程数は100を超え、真に有用な汎用性の高い方法論の開発が今なお切望されている。 本研究では、0,S-アセタールを鍵中間体とした短段階かつ効率的な縮環エーテル合成法の開発を行った。さらにこれらの方法論を天然物合成に応用し、従来よりも圧倒的に効率的な全合成ルートを開発した。 まず、様々な官能基を有するスルフィドとアルコールから0,S-アセタールを合成した。得られた0,S-アセタールに対してベンゼン溶媒中銀塩と塩基を作用させると、高収率でエノールエーテルへ変換できることを見出した。さらに、メチルエステル部位を加水分解後、(PhSe)_2で処理し定量的にセレノエステルに誘導した。種々検討の結果、セレノエステルにBu_3GeHとEt_3Bを作用させるとアシルラジカル環化反応が進行し、良好な収率でエーテル環を構築できることが分かった。本反応は、6員環エーテル形成だけでなく、より環化しにくい7員環エーテルにも適用でき、様々な天然物合成に適用可能である。さらに生じたケトンに対して還元的エーテル化反応を行うことで、直ちに縮環構造が構築可能である。 開発した本反応を二つの天然物合成に適用した。シガトキシンCTX3CのABCDE環部合成に応用したところ、従来に比べて収率が3倍に向上し、部分構造の大量供給が可能になった。さらに、より化学的に不安定な官能基を有するシガトキシンCTX1BのABCDE環部合成も達成した。
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