成体脳のニューロン新生に関与するPax6の機能解析
Project/Area Number |
05J05015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 勝康 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アストロサイト / Pax6 / 増殖 / 分化 / 大脳皮質 / 海馬 / マウス / 形態 / 初代培養 / GFAP |
Research Abstract |
脳を構成する細胞は大きく分けてニューロンとグリア細胞からなる。グリア細胞の中で最も多いとされるアストロサイトは、ニューロンの活動を能動的に制御していることが明らかになってきた。さらに、この数年の間に、アストロサイトは分子発現レベルにおいて神経幹細胞と共通の性質を持つことが明らかになってきた。すなわち、ある種のアストロサイトは実際に多能性のある神経幹細胞として振る舞い、ニューロンを生みだすことが生体内でも培養系でも報告されてきた。しかし、アストロサイトの発生機構に関する分子的知見はほとんどない。本研究では、アストロサイトの初代細胞培養法を用いて,ニューロン新生に関わる転写調節因子Pax6がアストロサイトの増殖・分化をも制御していることを明らかにした。 本研究では、正常なマウス脳を用いて免疫染色を行い、アストロサイト前駆細胞およびアストロサイトがPax6を発現していることを明らかにした。アストロサイトにおけるPax6の機能を明らかにするために、胎齢18日の野生型およびPax6遺伝子の機能が失われたPax6変異マウスの大脳皮質を用い、アストロサイトの初代細胞培養を行った。その結果、Pax6の機能が失われたアストロサイトは野生型に比して細胞増殖が亢進し、未分化状態であることが明らかとなった。さらに、Pax6の機能が失われたアストロサイトは野生型に比べ高い移動能を示すことが明らかとなった。以上のことから、Pax6はアストロサイトの発生において、アストロサイト前駆細胞の増殖を抑制し、分化を亢進している可能性が示唆された。また、Pax6の機能が失われたアストロサイトの表現型はグリア細胞の腫瘍である神経膠腫に非常によく似ていることから、Pax6は神経膠腫の発生にも関与している可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)