閉鎖性海域における低次生態系構造の変化が生産性に及ぼす影響
Project/Area Number |
05J05319
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川口 修 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 低次生態系 / 生産性 / 種間競合 / 摂餌選択性 / 数理モデル / 生態系モデル / 有明海 / 周防灘 |
Research Abstract |
平成17年度において,以下の通り一次生産者間の種間競合モデルを完成させ有明海および周防灘への適用を行い,検討を行った。 構築した種間競合モデルのうち一次生産者の競合戦略に関する部分は,一次生産者の栄養塩獲得・貯蔵戦略,水温や光,塩分に対する適応戦略,浮遊や遊泳,固着といった生育戦略に関する数理モデルから成り立っており,既往の研究をレビューして,モデルとパラメータの収集を行った。また同時に,珪藻や渦鞭毛藻,ラフィド藻といった機能的分類群間でパラメータの比較を行った.さらに,本研究の目的である一次生産者の組成と海域の生産性との関連について表現するため,上記の種間競合モデルに,植食者による選択的摂餌や一次生産者の化学組成比といった植食者による摂餌・増殖生態に関する数理モデルを開発して組み込んだ。これらのモデルは単に一次生産者の組成と海域の生産性との関連を表現するのみならず,トップ・ダウン的に一次生産者の組成を変化させるという部分についても表現することになる。 また,上述した種間競合モデルを有明海および周防灘に適用し,珪藻とノリ(有明海),あるいは珪藻と鞭毛藻(周防灘)間での遷移のメカニズムとそれに伴う海域の生産性の変化について解析した。有明海において,ノリの生産を海域の生産性として評価できるとすると,有明海の生産性は,珪藻への二枚貝等による摂食によって最も大きく影響され,これが小さくなると有明海の生産性が低下すると考えられた。周防灘においては,二次生産を周防灘の生産性として評価できるとすると,珪藻や鞭毛藻のいずれかが卓越しすぎると周防灘の生産性が低下し,珪藻と鞭毛藻がある程度共存している状態で生産性が向上することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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