海洋の物質循環と微生物多様性に関する分子生態学的研究
Project/Area Number |
05J05361
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 亮人 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 特別研究員(CD1)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 海洋細菌 / 増殖 / ブロモデオキシウリジン / 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法 / key species eco-typing仮説 / プロモデオキシウリジン / 濃度勾配ゲル電気泳動法 / 増殖活性 |
Research Abstract |
本年度は、海洋における有機物フラックスの変動機構を解明するために、細菌群集と各環境条件の相互関係について明らかにすることを目的とし、以下の試料についてさらなるデータを得た。 1.2004、2006、2007年に採取した北海道サロマ湖の海水・海氷試料についてBrdU/DGGE解析を行った。この結果、海水・海氷中の全体の細菌群と増殖速度の速い細菌群のDGGEバンドパターンは異なっており、0℃以下の低温環境に適応し増殖する細菌群の存在が示唆された。また、各年で海氷細菌群集構造が異なっていたことと、海氷植物プランクトン組成が年によって大きく異なるという報告から、海氷中における細菌群と植物プランクトン細胞あるいはその産生有機物との相互関係が示唆された。 2.広島県呉湾にて採取した試料について一年を通した経時的変動解析を行った。その結果、観測期間中RoseobacterやCFBグループといった細菌群が優占しており、その細菌群集構造は海洋の一大イベントである植物プランクトンブルームによって大きく変化していることが分かった。 これまで特定してきた細菌群を、有機物の分解・生成に直接的に大きく貢献している"key species"として捉え、その時空間変動や環境条件の変動から生態的ニッチを考察し、これを"key species eco-typing仮説"として提案した。本研究は、天然環境の細菌群の増殖に着目し、それに基づいた生態的ニッチを初めて提案した独創的な研究であり、有機物フラックスの変動機構解明の先駆的研究である。各生態的ニッチを代表する"key species"に焦点を当て、その現存量や増殖、活性などの定量的な解析を行うことで、細菌群集を介する有機物フラックスの変動を説明することが出来ると期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)