IgA腎症発症におけるガラクトース糖鎖の役割に関する研究
Project/Area Number |
05J05556
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Laboratory animal science
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西江 敏和 Kanazawa University, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ガラクトース転移酵素 / IgA腎症 / ノックアウトマウス / 糖鎖 |
Research Abstract |
β-1,4-ガラクトース転移酵素-I(β4GalT-I)は、糖鎖の生合成に関わる糖転移酵素の一種であり、N-アセチルグルコサミンまで伸長してきた糖鎖にガラクトースをβ-1,4結合で転移する酵素活性を持つことが知られている。これまでの研究により、我々の作製したβ4GalT-IのKOマウスがIgA腎症様病態を呈すること、血清IgA濃度が対照マウスに比して約10倍の高値であり主に二量体・多量体IgAから構成されることを明らかにした。さらに、血清IgA分子のN型糖鎖の構造解析により、β4GalT-I KOマウス由来の血清IgA分子のN型糖鎖にはガラクトースが完全に欠損していることが明らかとなった。このことから、IgAの糖鎖不全がβ4GalT-I KOマウスにおけるIgA腎症発症の原因であることが示唆されるが、IgAの糖鎖が原因であるという証明には至っていない。また、高IgA血症の原因も不明のままである。 本年度は、昨年度に引き続き骨髄移植の検討を行った。血清IgAがβ4GalT-I KOマウスにおけるIgA腎症の原因であれば、β4GalT-I KOマウスの骨髄をコントロールマウスに移植するとIgA腎症が発症すると考えられる。 レシピエントマウスに致死線量(9.5Gy)のX線を照射後、ドナーの骨髄から調整した1×10^7細胞をレシピエントマウスへ移植した。コントロールマウスをドナーとした場合は、移植した細胞はレシピエントの骨髄に生着し、レシピエントマウスは生存することができたが、β4GalT-I KOマウスをドナーとすると、移植した細胞はレシピエントマウスに生着することなく、レシピエントマウスは生存できないことがわかった。一方、/34GalT-IKOマウスの骨髄には造血幹細胞は正常量存在することがFACS解析により観察出来た。すなわち、β34GalT-IKOマウスをドナーとし準場合の骨髄移植の不成立の原因は、β4GalT-I KOマウスの造血幹細胞の機能低下等によることが示唆された。Rag遺伝子欠損マウスをレシピエントマウスとして使用すれば、X線をほとんど照射する必要がないため、今後はレシピエントマウスにRag遺伝子欠損マウスを使用する必要性が考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)