生体親和性金ナノロッドを用いた近赤外光応答性遺伝子キャリアの構築
Project/Area Number |
05J06077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 宏信 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 金ナノロッド / 金ナノ粒子 / 遺伝子デリバリー / 近赤外光 / 細胞毒性 / 光線力学治療 / 遺伝子治療 / リン脂質 / phosphatidylcholine / Nd:YAGレーザー |
Research Abstract |
本研究では、棒状金ナノ粒子である金ナノロッド(NR)の光学特性を活かした生化学分野への応用展開を目的とした。特に、代表的な最新医療技術の遺伝子治療や光線力学治療を題材とし、NRが既存の材料に劣らない機能を発揮しうることを報告した。 NR表面にリン脂質(主にphosphatidyl choline(PC))を修飾することにより、細胞毒性の十分に低く、生化学的研究にも適応できるNRを作製することに成功した。 PC-NRはカチオン性を示すため、プラスミドDNA(pDNA)と静電的に相互作用し、複合体を形成した。そこで、PC-NRを用いたpDNAの近赤外光による放出制御を試みた。近赤外レーザー光により球形に変化するNRの光反応をトリガーとして、PC-NRとpDNAの複合体からpDNAが放出されることを見い出した。また、放出したpDNAはsupercoiled状を維持しており、pDNAにダメージを与えることなく放出させることが確認された。このような光反応、特に近赤外光をトリガーとして利用できる反応は、遺伝子デリバリーを機能化する手段として大変有効であると思われる。 PC-NRは細胞毒性が低く、細胞にダメージを与えることなく、生細胞に吸着することが確認された。近赤外光は生体にダメージを与えない光であることに着目し、PC-NRと近赤外レーザー光の組み合わせによる選択的な細胞破壊を試み、ガン細胞などの光線力学治療への可能性について検討した。NRはパルス光を吸収して瞬間的に温度を上昇させるため、PC-NRと相互作用した細胞にのみ局所的なダメージを与えることに成功した。この光反応を利用することにより、単一細胞の細胞死を誘起することも可能であった。 本研究の成果は、NRの光学特性が生化学分野へ応用可能であることを示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)