プロトン-電子相互作用を利用したスイッチ分子実現のための理論的設計指針の探索
Project/Area Number |
05J06092
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 寛敏 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プロトン-電子連動系 / 分子スイッチ / モデル内殻ポテンシャル / 非破壊読み出し / 分子軌道相互作用 / プロトン-電子相互作用 / 2,2'-ビイミダゾール / カテコール / プロトン移動 / 電子移動 |
Research Abstract |
分子スイッチの実現を目指したプロトン-電子相互作用系の候補のプロトタイプ,[Co(biimidazolate)(o-quinone)_2]_2に関して基底および励起電子状態の予測を密度汎関数法・時間依存密度汎関数法・スピン軌道相互作用を考慮した配置間相互作用法により検討した。計算結果,このプロトタイプ錯体は,紫外光・可視光照射によりスピン多重度を相互変換するLIEEST現象を示し,それに伴いプロトン移動を生じるプロトン-電子相互作用系になることを示すことができた。また,分子軌道相互作用を用いた理論的観点から,プロトン-電子相互作用を最大化するように錯体配位子の化学修飾によるチューニングを試み,o-quinone配位子にt-buthyl基を導入することにより,プロトン-電子相互作用を強めることができることを示し,プロトン-電子相互作用系の実現に向けた理論的設計指針を得ることができた。 一方,本研究の遂行に伴い,一般に金属錯体の第一原理電子状態計算に計算負荷を軽減する為に用いられてきた有効内殻ポテンシャル(ECP)法が,実験に先立つ計算による理論分子設計に十分な精度をもたないという問題に遭遇した。これは,ECP法が分子の精密な電子状態予測に必要な価電子軌道節構造を正しく再現していないこと由来する。この問題を克服する為,価電子軌道節構造を正しく再現する特殊なECP法として,モデル内殻ポテンシャル(MCP)法のプログラム作成を行った.本研究で開発したプログラムは,アイオワ州立大学M.Gordon研究室で管理がなされている量子化学計算パッケージGAMESSに組み込まれ,2007年3月版より世界に向けて公開されている.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)