緑膿菌の病原性関連遺伝子破壊株を利用した生物的防除法の開発
Project/Area Number |
05J06144
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千枝 結香 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 緑膿菌 / カイコ / ピオシアニン |
Research Abstract |
ピオシアニンは緑膿菌Peudomonas aeruginosaが産生する病原性因子の一つである.本物質は,様々な宿主に対し高い病原力を示すために必要な因子であり,特にほ乳類に対し細胞毒性を有することで知られている.そこで,鱗翅目昆虫の宿主モデルとしてカイコを用い,本細菌のカイコへの病原力におけるピオシアニンの必要性を明らかにするために,以下の実験を行った. まず,精製ピオシアニンをカイコ体腔内に注入したところ毒性が認められ,カイコ一個体あたりのLD_<50>値は9.63μgであった. 次に,緑膿菌野生株PAO1,NBRC12689^TおよびNBRC13736を用いて,ピオシアニン産生量と病原力を検討した.その結果,ピオシアニン産生株であるPAO1よりも,非産生株であるNBRC12689^TおよびNBRC13736の方がより強い病原力を示した. 続けて,PAO1を親株としてピオシアニン欠損株(phzMおよびphzS変異株)を作出し,PAO1との病原力を比較したところ,両変異株ともピオシアニン産生性を喪失したにも関わらず,PAO1と同程度の病原力を維持していた. これらの結果から,ピオシアニンはカイコに対し殺虫効果を有するが,緑膿菌のカイコに対する病原力には必ずしも必要な因子ではないことが明らかとなった.ほ乳類など他の生物を宿主とした際に,ピオシァニン欠損株における病原力の低下が報告されていることから,本欠損株が示す高い病原力はカイコに対し特異的なものであり,生物的防除資材としての可能性を有する菌株の育種を行うことができたと考えられる.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)