ゼブラフィッシュ初期発生系を用いた血管新生を制御する中性セラミダーゼに関する研究
Project/Area Number |
05J06156
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 征浩 九州大学, 大学院農学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 中性セラミダーゼ / スフィンゴシン-1-リン酸 / ゼブラフィッシュ / 血管形成 / 心臓形成 / CERT / 神経堤細胞 / 細胞増殖 / 初期発生 / ノックダウン |
Research Abstract |
中性CDaseノックダウン胚は血管形成不全、心臓形成不全を示し、それらの表現型はスフィンゴシン(Sph)またはスフィンゴシン-1-リン酸(SIP)を注入することで回復した。また、SIP受容体であるSIP1ノックダウン胚は中性CDaseノックダウン胚と同様な表現型を示した。以上の結果から、中性CDaseはゼブラフィッシュ初期発生において、Sphを生成することでSIPシグナリングを制御し、循環器系の発生に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 中性CDaseの基質であるセラミド(Cer)は小胞体で合成され、ゴルジ装置に運ばれて、スフィンゴミエリンやグルコシルセラミドへと変換される。CERTはCerを小胞体からゴルジ装置へ輸送するタンパク質である。ゼブラフィッシュCERTのノックダウンを行ったところ、顎の形成不全、色素細胞の移動の遅延など、特に神経堤細胞由来の器官や細胞に異常を示し、中性CDaseノックダウン胚とは違った表現型を示した。神経堤細胞の初期マーカーであるsox10、また後期マーカーであるdlx2aの発現はCERTノックダウン胚においても正常で、神経堤細胞の誘導、移動は正常に起こっていると推測された。神経堤細胞から顎細胞への分化にはWnt、Hhなどのシグナル伝達系が重要な役割を果たしている。Wntシグナルの標的遺伝子であるmitfaの発現およびHhシグナルの標的遺伝子であるnkx2.2aの発現はCERTノックダウン胚では異常が認められず、CERTノックダウン胚の表現型は上記のシグナル伝達系の異常が原因でないことが示唆された。神経堤細胞は移動中、移動後に増殖し様々な器官を形成する。そこでBrdUの取り込み、リン酸化ヒストン3の抗体染色により、CERTノックダウン胚の細胞増殖を調べた。その結果、CERTノックダウン胚では、コントロール胚と比較して有意に増殖細胞数が少ないことが分かった。以上のことから、CERTのノックダウン胚において観察される表現型は、主として神経堤細胞の増殖の遅延によって引き起こされることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)