好熱性放線菌アミラーゼのデンプン結合ドメインと触媒活性・基質特異性との関係
Project/Area Number |
05J06519
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
安部 暁美 香川大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | α-アミラーゼ / デンプン結合ドメイン / X線結晶解析 / 構造生物学 / 多糖加水分解酵素 / プルラン |
Research Abstract |
好熱性放線菌α-アミラーゼ1(TVA1)は、ドメインNに2箇所の基質結合部位(Site-NA、Site-N)をもつ。これらの部位の役割を調べるため、基質の結合に関与する2つのトリプトファン(Trp51:Site-NA、Trp65:Site-N)をリジンに置換した3種類の変異体、W51K、W65K、W51K/W65Kを作成し、これら3種の変異TVA1と野生型TVA1を用いて、可溶性、不溶性デンプンを基質とした分子動力学的パラメータを測定した。 可溶性デンプンを基質とした場合では、活性の違いは見られなかった。一方で不溶性デンプンを基質とした場合では、W51K/W65KのKmは野生型の20倍となった。さらに結合実験を行ったこところ、基質が高濃度になると野生型とW51Kはほぼ100%基質に結合するのに対し、W65KとW51K/W65Kでは約80%が結合するにとどまった。酵素の50%が結合するときの基質の濃度をK50としてKmと比較したところ、Km/K50の値(括弧内の数値)は小さい順に、野生型(2.5)、W65K(3.5)、W51K(3.9)、W51K/W65K(36)となった。 以上の実験結果から、TVA1のドメインNは、デンプン結合ドメインとして、特に不溶性デンプンの加水分解において役立っており、Site-NAとSite-Nは不溶性デンプンを結合し、さらに基質を活性部位にうまく導いているのではないかと考えられた。それぞれの部位の役割は、Site-Nは不溶性デンプンへの結合、Site-NAは加水分解されやすいように基質を結合、という働きがわずかに優れているようではあるが、W51KとW65KでKmとK50、Vmaxがあまり変わらないことから、これら2つの部位の役割はそれぞれの部位が分業しているのではなく、それぞれが請け負ってお互いを補っているものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)