Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
ロシアクラスノヤルスク州ツラにおける沢を挟んだ北向き斜面,南向き斜面を試験地とし,各試験地に生育するカラマツ各60個体のより年輪試料を採取し,年輪幅,年輪内最大密度を測定,生育地を代表する時系列変動であるクロノロジーを作成した。1939〜65年(以下前半と記す),66〜95年(以下後半と記す)の二つの期間を対象としてクロノロジーと気温及び降水量との相関関係を解析した。 その結果,前半では両斜面ともに年輪幅と春季(5月下旬〜6月中旬)の気温の間に正の相関が認められた。また冬季(10月〜3月)および5月の降水量と負の相関が認められた。一方後半では年輪幅は夏季(6月中旬〜7月中旬)の気温と正の相関を示した。また,降水量との顕著な関係は認められなかった。 これらの結果と昨年度までに行ったフェノロジー観察結果を合わせて考察すると,前半では開葉時期の雪解けや気温が肥大成長量に最も大きく関与していることが示唆される。一方,後半では最も光合成が盛んかつ肥大成長速度が大きい時期の気温が肥大成長量を制限していることが示唆される。温暖化の進行に伴ってシベリアのカラマツの肥大成長を制限している要因が変化してきている可能性が指摘される。
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