魚類の病原微生物構成成分の認識レセプターに関する体系的研究
Project/Area Number |
05J06683
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高野 倫一 東京海洋大学, 大学院・海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CpG oligodeoxynucleotide / Edardsiella tarda / myeloid differentiation factor 88 / Toll-like receptor |
Research Abstract |
近年、哺乳類Toll-like receptor(TLR)が病原微生物構成成分を特異的に認識し、初期の免疫応答を調節していることが明らかになった。魚類においてもexpressed sequence tag(EST)解析および染色体DNAデータベースから、哺乳類Toll-like receptorに相同性を持つ遺伝子の存在が明らかとなっている。また、TLRシグナルの細胞内伝達に関わる分子の遺伝子もいくつか同定されている。魚類においてもTLRによる免疫調節機構が存在すると考えられるが未だ不明な点が多い。さらに、細菌の染色体DNA上に存在する非メチル化CpG DNAを模した非メチル化CpG oligodeoxynucleotide(ODN)が、魚類の非特異免疫を強力に誘導することから、魚類のワクチンアジュバントとしてその利用が検討されている。そこで本研究では非メチル化CpG ODNを認識すると考えられているヒラメTLR9およびその細胞内情報伝達分子であるmyeloid differentiation factor 88(MyD88)に関する研究を行った。 まず、ヒラメよりTLR9およびMyD88遺伝子をそれぞれクローン化した。ヒラメTLR9にはLeucine richドメイン(LRD)およびToll/IL-1 receptor(TIR)ドメインが、MyD88にはTIRドメインおよびDeathドメインが保存されており、ヒラメにおいてもTLR9による微生物構成成分認識機構が存在していることが示唆された。また、ヒラメTLR9遺伝子をヒラメ胚由来(HINAE)細胞に導入したところ、非メチル化CpG ODN刺激に応答し、ヒラメTNF遺伝子のプロモーターを活性化することを明らかにした。 魚類病原細菌であるEdwardsiella tardaを人為的にヒラメ稚魚に感染させると、感染の進行に伴い、各遺伝子のmRNA量が、鰓、腎臓、脾臓および抹消血で増加することを明らかにした。また、ヒラメTLR9およびMyD88遺伝子が同一細胞内で発現し、これらの陽性細胞がE.tarda感染魚の腎臓内に形成された病巣部に集合することや、鰓上皮表面へと浸潤することを明らかにした。 本研究より、ヒラメTLR9およびMyD88を発現した細胞は、細菌感染防除に深く関与しているものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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