Project/Area Number |
05J06911
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
程島 奈緒 上智大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 残響 / 音声明瞭度 / 音声強調 / 拡声システム / 公共空間 / 非母語話者 / 前処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、室内で音声明瞭度を低下させる残響の影響を抑えることにより公共空間で聞き易い音声を提供する「音声のバリアフリー」化を実現すことである。そのために、音声知覚に比較的重要ではないとされる音声の定常部のエネルギを抑圧した後に室内のスピーカから放射する「定常部抑圧処理(以下処理)」の検討を行ってきた。 今までアナウンス等の録音音声に対して処理の効果を調べてきたが、今年度は話者と聴取者が同じ部屋にいる講演を想定し、聴取者が話者の音声とスピーカからの拡声音の両方を受聴する環境で処理の効果を調べた。残響音場は室内音響シミュレーションソフトによって作成し、若年健聴者20名に対して聴取実験を行った。その結果、処理による音声明瞭度の有意な改善が得られ、拡声音のレベルによって処理の効果は変化した。このことから、処理の効果の検討には部屋の建築的要素だけではなく、電気音響的要素も考慮する必要があることが示唆された。さらに話者のマイクで直接音対残響音比が高い場合は、話者の音声と拡声音の混合が処理の効果に与える影響は無視できる程小さいことが確認された。よって、録音音声と講演等の音声の両方に対して、処理の効果は同程度であることが示唆された。 上記の研究と昨年度行った研究である非母語話者に対する処理の検討に関して、国際会議2件と国際ワークショップ1件で発表を行った。さらに、様々な残響環境下や高齢者に対する処理の検討に関して、それぞれ原著の学術論文が出版された。 これまでの研究で本処理が特定の条件において明瞭度を改善することが確認されたことから、本処理は公共空間において「音声のバリアフリー」を実現する可能性があることが示唆された。今後考えられる応用として、空港や駅などの公共空間・音声警報など完壁な音声伝達が必要とされる状況で使用される拡声システムへの処理の適用があげられる。
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