未踏の高周期14族元素三重結合化学種の合成と次世代新素材への展開
Project/Area Number |
05J07235
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金城 玲 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ケイ素 / 三重結合 / ジシリンアニオンラジカル種 / ケイ素ビニルラジカル / ジソディオジシレン / 導電性ケイ素ポリマー / 芳香族化合物 / ジシレニルアニオン種 |
Research Abstract |
近年、高周期14族元素多重結合化学種の研究が盛んに行われ注目されている。高周期14族元素不飽和化学種は、有機化学の基礎を構築する炭素類縁体とは異なる多重結合様式及び反応性を示す。しかし、合成上の困難さから高周期14族元素三重結合化学種の報告例は非常に少なく、三重結合の化学は未開拓な分野であった。一方、ごく最近我々は、ケイ素-ケイ素三重結合化学種ジシリンの合成・単離に成功し、その分子構造や分光学的性質を初めて明らかにしている。本研究は、ジシリンを鍵化合物として新たな高周期典型元素化学の領域を構築し、次世代新素材への応用を目的とする。 ・ジシリンアニオンラジカル種への展開 アルカリ金属を用いたジシリンへの一電子還元反応では、単離可能なジシリンアニオンラジカル種を得ることができた。またX線構造解析により分子構造の決定にも成功し、対カチオンと相互作用のないフリーなアニオンラジカル種であることを明らかにした。さらに、ESRスペクトル測定や紫外-可視吸収スペクトル測定、理論計算等による実験的・理論的な考察の結果、不対電子が二つの骨格ケイ素上を非局在化していることを見出した。 ・ケイ素ビニルラジカル種及びジソディオジシレンへの展開 トルエン中、ジシリンと1当量の金属ナトリウムとの反応により、単離可能なケイ素ビニルラジカル種の合成に成功した。またトルエン中、ジシリンと2当量の金属ナトリウムとの反応により、ジソディオジシレンの合成に成功した。さらに、各種スペクトル測定により、sp^2ケイ素ラジカル種及びアニオン種の分光学的性質を明らかにした。特にジソディオジシレンは、ケイ素-ケイ素二重結合を保持したまま求核置換反応ができるため、直鎖状π共役系が拡張したケイ素ポリマーへと展開することで新たな導電性素材への応用が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)