褐レン石地質温度・圧力計の開発と希土類元素の地球内部循環メカニズムの解明
Project/Area Number |
05J07346
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 美保子 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 褐レン石 / 希土類元素 / Sr-Nd同位体 / 島弧 / 日本列島 / マンガン / 花崗岩 / 化学組成 / 同位体 |
Research Abstract |
最終目的である地球内部における希土類元素の循環メカニズムを解明するために、代表的な希土類元素鉱物である褐レン石を研究対象として、3年間の研究で、沈み込み帯地域(島弧)の代表として、日本列島の50箇所の花崗岩質岩石、火山岩に産出する褐レン石、大陸地域の代表として、オーストラリア、フランス、アメリカ、カナダの花崗岩質岩石に産出するものの化学組成と同位体組成分析を行った。これらの試料に対するEPMAによる化学分析の結果、日本列島産褐レン石は、Mn-rich(0.14apfu.以上)とMn-poor(0.14 apfu.以下)タイプに分けられることが判明した。これらは、REEのコンドライトパターンからも区別され、それぞれ特有なREE分配を保持し、Mn-rich褐レン石は、YやScを多く固溶するという特徴を持つ。次に、褐レン石と母岩である花崗岩類のSr-Nd同位体比を比較した結果、その同位体比の類似性から、Mn-richタイプはイルメナイト系列、Mn-poorタイプは磁鉄鉱系列を起源とする花崗岩質マグマから形成されたと考えられる。さらに、日本列島に産出するこれらの花崗岩をプレカンブリア代から古生代にかけて形成されたオーストラリアのラクラン褶曲帯に産出するS-type, I-type花崗岩と比較すると、Nd同位体比に大きな違いが見られ、さらに、Sr同位体比も高い値にシフトしており、日本列島に産出する褐レン石は、ほとんどが同位体上I-typeに分類される。このことから、日本列島の花崗岩の分類法としては、マグネタイト系列とイルメナイト系列の分類法が適当であり、褐レン石の同位体比のほうが全岩の同位体比より、明瞭に分かれることから、褐レン石のような希土類鉱物を用いることで、より精密に花崗岩の分類を行える可能性が示唆された。以上のことから、起源物質の指標となるNd-Sr同位体比が、日本列島のような新しい時代の花崗岩質岩石中の褐レン石と古い時代の大陸地域に産出する花崗岩の間で異なるため、これは、花崗岩の起源物質が異なることを示唆する。つまり、褐レン石のMn含有量やREEパターンの違いは、母岩である花崗岩質マグマの違いを反映し、日本列島のような島弧に特有の元素の濃集メカニズムを示している。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)