犯罪不安喚起状況の質的研究および犯罪不安喚起に関わる諸要因の明確化
Project/Area Number |
05J07597
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小野寺 理江 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 犯罪不安 / リスク認知 / 自己関連付け / 防犯意識 / 防犯教育 / 犯罪リスク認知 |
Research Abstract |
本課題期間,防犯意識の高場や防犯行動の促進のための注意喚起方策の提案が可能となるよう,認知・感情・行動を含めた頑強な基礎的知見を明らかにすることを目的とした一連の研究を実施した. 本年度は,特に(2)犯罪不安の喚起に関わる社会的要因,特に情報の効果(3)犯罪不安の喚起に関わる心理的要因,特に直接的または間接的犯罪被害の影響に焦点をあて,犯罪発生情報や噂の有無や質,時間的効果,また直接的犯罪被害と間接的犯罪被害の経験が犯罪不安に及ぼす影響を明らかにするために,前年度に実施した調査から得られた犯罪不安喚起に関わる諸要因の関係について仮説モデルの検討を引き続き行い,詳細分析および追加調査を行った.他人事になる要因を明らかにすることは,防犯教育への有効な示唆となり得ることを考え,他人事になる要因を検討するという逆の視点を試みた.家族構成,特に子供の有無によって犯罪への関心の質が異なり,実子と同世代が関わる犯罪に対しては犯罪の衝撃性により具体性が高く,また自分が被害に遭うかもしれない不安というより自分の子供の被害に対する不安が高いが,高世代になると自分との関連付けが低く傍観的視点になりやすい傾向がうかがえた.防犯意識が高いのは高世代であるという先行研究とは一致しない結果であるが,高世代の被害が多いという実際の犯罪被害状況を考えると興味深い知見であるといえる. 仮説モデルはまだ検討の余地が残される結果となったが,犯罪に対するリスク認知,不安,対処的行動における関係性,および自己関連付けを媒介に考えるという概念モデルについては,発表やワークショップにおいて多くの支持を受け,これまでの犯罪不安の枠組みを新たなものにすることができた.学会や研究会における討議を踏まえ,これまでの研究を論文化するとともに,今後も継続して調査および実験を行っていく予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)