遺伝子の多様性を考慮したシデコブシの保全戦略の構築
Project/Area Number |
05J07746
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林学・森林工学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 節子 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シデコブシ / マイクロサテライトマーカー / 絶滅危惧種 / 保全 / クローン植物 / メタ集団 / 種子繁殖 / 遺伝子流動 |
Research Abstract |
シデコブシのメタ集団内における8つの局所集団間の遺伝的変異を、シデコブシとホオノキの核マイクロサテライトマーカー、および葉緑体マイクロサテライトマーカーを用いて調べることで、歴史的な遺伝子流動が局所集団間の遺伝的分化に与える影響を評価し、さらに核マイクロサテライトマーカーを用いて、8つの局所集団のうちほぼ中央に位置する尾戸川局所集団内の9つの種子親から採取された種子の父性解析を行うことによって現在の花粉流動パターンを明らかにした。本年度、この研究成果をまとめた論文が受理された。 2003年から2005年に尾戸川局所集団内で行ったシデコブシの開花フェノロジー調査のデータ解析を行った。シデコブシの開花パターンは局所集団内でほぼ同調しており、ジェネット内の個花もある程度のばらつきを持ちながらも一斉開花していた。ジェネットの花芽数や周囲のジェネットの開花量がシデコブシの種子生産に有意に正の影響を与えているという結果が得られた。これらの結果をまとめた投稿論文が間もなく投稿される予定である。 2005年に尾戸川局所集団とその周辺の局所集団の4-10母樹において結果率を測定した結果、集団ごとの結果率は18.1-52.1%であった。現在、そのときに採取された種子を、各母樹から30個ランダムに選んで発芽実験を行っている。将来的にはこれらの実生を温室内で生育させ、消長を追跡するとともに、核マイクロサテライトマーカーを用いて父性解析を行い、実生の生死と両親の血縁度の関係、実生の生存率と実生の由来する集団サイズとの関係、花粉散布距離と実生の由来する集団サイズとの関係等を解析していく予定である。 尾戸川局所集団内において2005年の夏に1回のみ行った調査では、樹幹長が30cm以上のシデコブシは166ジェネット、30cmより小さい稚樹は97ジェネット(そのうち当年生実生は53)であった。本年度は6月上旬から10月の下旬まで、2週間おきに局所集団内の全実生の消長を追跡した。調査期間中に出現した当年生実生は114ジェネット、そのうち63ジェネットが10月下旬までに死亡した。当年生実生の死亡は主に尾戸川上流部の照度が低い箇所で生じており、実生の生残に光が重要な要因であることが示唆されている。今後もこの調査は継続させる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)