東南アジアにおける植物-アリ-カイガラムシ-チョウ四者共進化系の分子系統解析
Project/Area Number |
05J07966
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上田 昇平 Shinshu University, 理学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 東南アジア熱帯雨林 / 多様性 / 共進化 / 分子系統解析 / アリ植物 / マカランガ / カイガラムシ / 分子系統樹 / 浸透交雑 |
Research Abstract |
東南アジア熱帯雨林に生育するオオバギ属29種はアリ植物と呼ばれ,幹の空洞内には共生者であるアリとカイガラムシが居住している.このアリとカイガラムシは植物に完全に特殊化しており,植物から離れて生きていけない(絶対共生).本研究の目的は,絶対共生関係にあるオオバギーアリーカイガラムシ3者間共進化の歴史を,分子系統解析によって明らかにすることである. 東南アジアのマレー半島とボルネオの13カ所において,22種の材オオバギ属から220サンプルのカイガラムシを採集し,mtDNA系統樹および核DNA系統樹を作成した. ○カイガラムシmtDNA地理系統樹から得られた結果 1)カイガラムシの起源年代(約800万年前)と植物-アリの起源年代(約2000万年前)は一致せず,カイガラムシは植物-アリ共生に少し遅れて参加し,3者共生系を確立したことが明らかになった. 2)カイガラムシの氷期レフユジアの推定地(ボルネオ東北東部の山地帯)および地理的な分散経路(ボルネオ→マレー)はアリのものとほぼ一致しており,両者はよく似た歴史地理パターンを持つことが明らかになった. ○カイガラムシ核DNA系統樹から得られた結果 3)カイガラムシの核DNA系統樹とmtDNA系統樹は一致せず,一部のカイガラムシ系統間では過去に浸透交雑が起こったことが示唆された. 4)カイガラムシ核DNA系統の寄主植物種(グループ)に対する特異性が検出されたが,その特異性は地質学的な長期間維持されずに,共進化の歴史の中で複数回の寄主転換が起こったことが明らかになった.
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)