Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究の目標は,流体の圧力・密度・温度の相互関係を表すPVT性質を高精度に測定する装置を開発することである.そのために,これまで磁気浮遊式天秤(磁気浮上密度計)と呼ばれる流体密度計測器の高精度化に取り組んできた.既存の磁気浮遊式天秤では,測定試料流体のもつわずかな磁性の影響により,試料流体密度の測定において100ppm程度の系統誤差が生じることが問題となっていた.本研究では,有限要素法磁場解析と既存の磁気浮遊式天秤を用いた実験により,この磁気的要因による密度測定誤差の影響を明らかにし,これを補正可能な新しい測定方法を考案した. 本年度は,考案した測定法を実現する新しい磁気浮遊式天秤の開発,ならびにPVT性質測定装置の試作を行った.温度計測には標準白金抵抗測温体を,圧力計測には水晶発振式圧力計をそれぞれ用い,産業技術総合研究所の協力を得て各計測機器の校正を行い,国際単位系の定義に準拠した国家標準にトレーサブルな高精度計測を実現した.開発した装置の健全性を確認する目的で,水およびトリデカンを密度標準試料として,20℃,大気圧下においてそれぞれの密度の測定を行い,標準値と測定不確かさ以内で良好に一致する結果が得られた.さらに,20℃,500kPaまでの水の密度に関しても測定を行い,同様に標準値と測定不確かさ以内で一致する結果が得られ,このことから磁気的要因による密度測定誤差を補正する新しい測定法の有効性を確認することができた. 本装置により計測される各状態量の測定不確かさは,温度が6mK,圧力が0.02%+0.40kPa,密度が20ppm程度であり,密度測定に関しては従来の1/10の不確かさの高精度計測を実現することができた.本装置により,標準となる高精度な流体のPVT性質を計測することが可能であると考えられる.
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