神経変性疾患に対するHumaninの治療効果の検討
Project/Area Number |
05J08155
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 真吏奈 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / ヒューマニン(Humanin) / コリベリン(Colivelin) / ADNF / βアミロイド / 神経細胞死 |
Research Abstract |
これまでの研究から、アルツハイマー病(ア病)患者後頭葉よりin vitroでア病特異的神経細胞死を抑制するペプチドHNが同定されていた(Hashimoto, et. al., Proc Natl Acad Sci USA 2001)。1、2年度の研究において我々は強力なHN誘導体、CLNを作製し、その効果をAβ脳室内投与モデル、Aβ海馬内注入モデルおよび抗コリン剤投与モデルを用いて検討した。この結果、CLNはAβ脳室内投与によって誘導される記憶障害を完全に抑制し、またAβ海馬内注入によって生じる神経細胞死も完全に抑制した。抗コリン剤であるスコポラミンや3-QNB投与によって生じる記憶障害に関してもCLNが抑制したことから、CLNはア病に関連した記憶障害や神経細胞死にin vivoでも拮抗する因子であるということが明らかとなった(Chiba, et. al., J Neurosci 2005)。 今年度はCLNを臨床的に使用できる薬剤とするため、次に投与系路の最適化を検討した。これまでの検討では全てペプチドを直接脳室内に投与するという手法を用いて来たが、さらなる方法として鼻腔内投与法の開発を行った。免疫組織学的な検討から、鼻腔内に投与されたCLNが嗅球および大脳皮質で検出されることが確認された。また、蛍光ラベルしたCLNを鼻腔内投与して、in vivo蛍光イメージャー(Optix,GE Heal thcare)によって観察すると30分程で、大脳の大部分にCLNが移行していることが確認され、またこのCLNは4時間程度で大部分脳内から消失するということも明らかとなった。CLN鼻腔内投与の効果としては脳室内投与の際よりも量は必要となるものの、1 nmol程度投与すれば抗コリン剤による記憶障害を有意に改善することが明らかとなった(Yamada, et. al., Neuropsychopharmacology, Oct 2007 Epub)。この際に、CLNによって海馬神経においてSTAT3が活性化していることが明らかとなり、HNやCLNの治療効果にはJAK2/STAT3系路が重要であることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)