Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
安定かつ高精度な消化管内容物輸送シミュレータを構築するため,局所補間微分オペレータ(IDO)法の安定性および計算精度を明らかにし,安定化カップリング手法を導入した新しいIDO法(IDO-SC法)を開発した.Fourier解析による安定性・計算精度解析によって,流体方程式の全ての項に対して,IDO法が既存の高次精度差分法に比べ特に高波数領域(格子サイズに対して短波長)においてより高い計算精度を持つことが明らかとなった.従来のIDO法では流速と圧力のカップリングの安定化のためスタッガード格子が多く用いてきたが,この場合カップリングは2次精度まで落ちる.コロケート格子上での安定なカップリングのための新たな離散化手法(IDO-SC法)を提案し,4次精度での流体計算を可能にした.非圧縮性および圧縮性流体のどちらに対しても既存手法に比べ極めて少ない格子点数で同等の計算結果が得られることを示した. 大変形を伴う消化管運動では管壁近傍での運動を精度よく記述するためには適した格子解像度が必要となる.細かい格子を必要な領域にのみ配置する局所格子細分化計算手法(LMR法)が非常に有効な手法であり,IDO-SC法はコロケート格子を用いた高精度計算手法であるため,容易に効果的なLMR法を構築できる.消化管内の流れは遅いため細分化格子での拡散数が時間刻みを厳しく制限する.これに対応するため陰的Runge-Kutta法を用いた陰的IDO法を開発しLMR法に導入した.開発したLMR法によって等間隔格子を用いたIDO-SC法の数%の計算負荷で同等の計算結果を得ることが可能となった. 上部消化管の形状,蠕動運動をモデル化するため,食道および胃のMRI撮影を行った.絶食時の胃は運動が少ないため,1.5TのMRIによってある程度の形態画像を得ることができた.蠕動運動に関しては運動周期が固定でないため,飲み込むものや撮影方法に工夫が必要であることが分かった.
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