全合成を基盤とするキニーネ型不斉反応触媒の開発とその触媒活性評価
Project/Area Number |
05J08458
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
五十嵐 淳二 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | キニーネ / キニジン / シンコナアルカロイド / 五員環モノアセテート / anti SN2'型反応 / Claisen転位 / ピペリジン |
Research Abstract |
マラリアの特効薬に対する耐性菌が出現している現在,耐性菌とは無縁のキニーネに注目が集まっている。一方,キニーネを不斉触媒として活用する研究が最近活発に研究されている。本研究ではこうした背景を受け,キニーネとその類縁体を立体選択的に合成しうる方法を確立する研究を行った。 私は出発物質として五員環モノアセテートに注目し,これにマロン酸エステルを導入後,二つ目の置換基をClaisen転位によって導入し,ジ置換シクロペンテンに変換した。この化合物のオレフィン部分を酸化的に切断し,ベンジルアミンを用いて再環化するとこれまで合成の困難だったジ置換ピペリジンを立体選択的に合成できた。Witting反応を用いてこのピペリジンにキノリン環を連結し,AD-mix-βを使う方法でオレフィン部分を不斉エホキ化した。最後にCsFを作用させるとTeoc基(TMS(CH_2)_2OCO-)の脱保護とそれによって生じたアミノ基によるエポキシ基の開環を誘発し,キニーネが生成した。上記オレフィンにAD-mix-αを作用させた後同様の操作を行うとキニジンが生成した。 続いて,二つ目の置換基をanti SN2'型反応を活用して導入する研究を行った。この反応が位置選択的に進行すればキヌクリジン環上に様々な置換基を導入できる。アルキル基に関しては,通常のGrignard試薬とCuCNとを活用して達成できた。しかし,ベンゼン環の導入には通常の条件下ではうまく行かず,種々検討した結果,CuIと新しい脱離基(MeOCH_2CO_2-)との共同作業が重要であることを突き止めた。この反応を活用して,キヌクリジン環上にPh,Et,c-Hex,i-Prを導入できた。また,これらの置換基が天然とは逆の方向を向いたジアステレオマーも同様に合成できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)