アルケンからのカルベン錯体発生法の開発とそれを利用した触媒的炭素骨格構築
Project/Area Number | 05J08517 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
舟見 英哲 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost : ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
Fiscal Year 2005 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
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Keywords | 白金 / アレン / 1,2,4-トリエン / シクロペンタジエン / カルベン / アレニルエーテル / 付加環化反応 / シクロペンテン / 塩化白金 / 1,2-ジエン / 求電子的活性化 / 触媒 |
Research Abstract |
近年、遷移金属錯体による炭素-炭素多重結合の活性化を利用した触媒的炭素骨格構築法の開発が活発に行なわれている。特に、二価の白金錯体は炭素-炭素多重結合と強い親和性を有しており、高い求電子的活性化能を示すことから非常に興味深い。筆者はこの白金錯体を利用し、1,2-ジエン類の求電子的活性化を契機とする2つの触媒的分子変換反応の開発を行なった。 置換1,2,4-トリエン類に対し、触媒量の塩化白金(II)錯体を作用させたところ、環化反応が進行し多置換シクロペンタジエン誘導体が得られた。これは白金錯体による1,2-ジエン部位の求電子的活性化に伴ってペンタジエニルカチオンが生じ、これがNazarov型の電子環状反応を起こすことでα,β-不飽和カルベン錯体中間体となり、さらにこのカルベン部位への1,2-水素移動を経て得られたものと考えられる。さらに、1,1-二置換の1,2,4-トリエンを基質とした場合には、同様にして生じると想定されるカルベン錯体中間体から1,2-アルキル移動に伴う環拡大反応あるいは分子内炭素-水素結合挿入反応が進行することも明らかとなった。シクロペンタジエンは合成中間体として有用であるだけでなく、特に金属錯体の配位子として幅広く用いられているため、多置換シクロペンタジエンを簡便に合成できる本反応は有用性の高い手法である。 さらに、アレニルエーテルとアルケン類との混合物に対して、触媒量の白金(II)錯体を作用させると、分子間[3+2]付加環化反応が進行し、シクロペンテン誘導体が高収率で得られること見出した。本反応は、遷移金属錯体によるアレンの求電子的活性化を手がかりとした、これまでにほとんど例のない、アレンを3炭素ユニットとして用いる触媒的[3+2]付加環化反応であり、炭素環状五員環骨格を一挙に構築できることから優れた合成手法である。
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Report
(2results)
Research Products
(1results)