電磁誘起透明化を用いた単一光子状態の保存と再生の実現
Project/Area Number |
05J08559
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋葉 圭一郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 量子光学 / 量子情報 / 非線形光学 / 光子統計 / 量子干渉効果 |
Research Abstract |
本研究は、電磁誘起透明化(EIT)を用いてパラメトリック蛍光(PF)を条件付き単一光子として利用し、これを原子集団に保存し再生することを目的としている。この実現にあたり、広帯域なPFと狭帯域な原子系の周波数幅の不一致という問題がある。 昨年度、EITによる周波数フィルタ型の保存と再生を提案し実行することで、周波数幅の不一致を回避しPFの保存と再生に成功し、また、PFの周波数狭窄化を行うことによって、周波数幅不一致の問題を解消した。ここで、冷却原子集団作製系の改良が可能であることがわかり、また、保存再生における非古典性保持の検証が課題として残った。 最終年度である今年度は、まず、冷却原子集団作製系を改良した。これにより、磁場による原子状態の破壊を大きく低減した。また、平行して、周波数狭窄化したPFの条件付き単一光子性を評価した。実験結果は条件付き単一光子が得られたことを示し、原子と相互作用し、かつ原子系と齟齬のない単一光子という量子情報処理に有用な光源の生成に成功した。次に、課題として残っている非古典性保持の検証を行うため、非古典性検証の不等式を導入した。これは、単一モードのPFの非古典性評価に関して、これまでにない汎用性の高いものである。この不等式を用いて、EITによる周波数狭窄化したPFの保存と再生を行い、非古典性保持の検証を行った。実験結果は、入力、出力ともに非古典性を示し、非古典光の保存と再生を実現した。この結果は、量子情報処理において通例的に用いられる非古典光の保存と再生であり、量子メモリ、非古典光の操作、非古典原子集団状態の生成を可能とする要素技術の確立を意味する。最後に、条件付き単一光子の保存と再生の実験を行った。統計誤差の問題はあるが単一光子の保存と再生に成功した。よって、目的とした単一光子の保存と再生が実現でき、これは量子情報処理の大きな一歩となる。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)