Project/Area Number |
05J08933
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 勇樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カルボニルイリド / 1,3双極付加環化反応 / スクアレン合成酵素阻害物質 / ジアゾ化合物 / メタセシス / 全合成 / 誘導体合成 |
Research Abstract |
ザラゴジン酸類は1992年にメルク社及びグラクソ社、1993年に東京農工大/三菱化成から単離、構造決定された化合物群である。これらの化合物はスクアレン合成酵素に対し極めて強い阻害活性を示すため、高脂血症治療薬開発のためのリード化合物として注目されているが、その肝毒性から医薬品として用いることはできない。そこで我々は各種類縁体の合成を可能にする柔軟な合成法を目指し、カルボニルイリドの1,3-双極付加環化反応を機軸とする新ルートの開発を行った。すなわち、カルボニルイリド前駆体としてα-ジアゾエステルを用い、Rh_2(OAc)_4存在下、3-ブチン-2-オンを求双極子剤として用いると付加環化生成物が完璧な立体選択性で得られることを見出した。クロスメタセシスによるアルキル側鎖の伸長などを行ってザラゴジン酸Cの全合成を達成した。 本合成法を用いれば、C1位アルキル側鎖のC3'位にメチレンを持つザラゴジン酸Aの全合成も可能である。種々検討の結果、クロスメタセシス生成物のC4'位をブロモメチルジメチルシリル化し、続くラジカル環化反応と玉尾酸化によりC3'位にヒドロキシメチル基を導入することに成功した。その後の第一級水酸基の脱離などは収率良く進行し、ザラゴジン酸Aの全合成を達成することができた。ザラゴジン酸類の全合成ルートに従えば、コア部を修飾した誘導体合成にも展開可能である。その一例として、2位酸素原子をメチレンで置換し、活性発現には重要でないとされるC3位カルボキシル基を除去した炭素誘導体の合成を行った。鍵段階である1,3-双極付加環化反応についてはRh_2(NHAc)_4を触媒として用いると収率86%で付加環化生成物を与えることが分かった。その後、ラセミ体の光学分割以外は全合成ルートに従って官能基変換を行い、炭素類縁体の両鏡像異性体を合成した。合成した誘導体のスクアレン合成酵素阻害活性はザラゴジン酸Cの約20分の1(IC_<50>=88±20nM)であり、鏡像異性体は阻害活性を示さないことが明らかとなった。
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