NMRによる精密構造解析法を駆使したポリフェノール類の酸化反応機構の全容解明
Project/Area Number |
05J08942
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 静夏 北海道大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 抗酸化物質 / ラジカル消去反応 / ポリフェノール / プロトカテキュ酸 / コーヒー酸 |
Research Abstract |
プロトカテキュ酸エステルとラジカルのアルコール中での反応液を直接NMR測定し、短寿命の酸化生成物の構造を詳細に解析した結果、2-アルコキシおよび2,6-ジアルコキシ付加体のキノン体やそのアセタール体が生成することがわかった。このことから、プロトカテキュ酸エステルではキノン体からさらに反応が進み、2位ついで6位へ溶媒分子が付加することによってカテコール構造が順次再生し、さらにラジカル消去が起こることがわかった。このような求核分子の付加は電子求引性置換基をもつカテコール型フェノール化合物に共通の反応であり、ラジカル消去活性の高さの主要因であることを初めて明らかにした。 プロトン性溶媒中において、プロトカテキュ酸がそのエステルよりもアルコール中でラジカル消去活性が低い原因を検討するため、スルホン酸などの類縁体を合成し、置換基の電気的な性質の違いによるラジカル消去活性や反応速度、反応生成物の違いを比較した。その結果、遊離酸がそのエステルよりも活性が有意に低い原因は、キノン体においてカルボキシ基の解離が促進されることにより、電子求引性が低下し、キノン体への溶媒分子の求核付加が起こりにくくなるためであることが明らかとなった。また、半経験的分子軌道法によるキノン体のLUMOの電子密度の計算によっても確かめられた。 プロトカテキュ酸エステルのラジカル消去反応機構の全容を解明するため、反応液からの酸化生成物の単離を試みたところ、これまでにない特異な構造の二量体が生成することが見出された。この二量化反応はコーヒー酸など同族酸でもみられることから、カテコール型フェノールカルボン酸エステルに一般的な新しいタイプの反応であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)