サケ科魚類の母川記銘・回帰に関与する嗅覚機能に関する生理学的研究
Project/Area Number |
05J09156
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 雄三 Hokkaido University, 大学院・環境科学院, 特別研究員(DCI)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 母川記銘 / 嗅覚応答 / アミノ酸 / プロリン / グルタミン酸 / 脳波ロガー / 嗅球誘起脳波 / ヒメマス / ニジマス |
Research Abstract |
1)母川記銘実験 ヒメマス幼魚が母川のニオイ物質を記銘する際の臨界期および記銘に要する期間を明らかにすることを目的とし、アミノ酸組成を大きく変化させ社人工母川水を人為的に記銘させる記銘実験を実施した。実験水は飼育水において未検出のプロリン(1)および既検出めグルタミン酸(2)をともに10^<-6>Mの濃度で飼育水に加えたものを用いた。2005年3月〜7月に実験水(1)に各月2週間曝露した記銘群(a)、および2006年5月に実験水(1)および(2)に1時間・6時間・1日・7日・14日曝露した記銘群(b)を作出した。本年度はこれらの実験魚を用い、6月および10月に記銘群の実験水に対する嗅覚応答(EOG)を測定し、さらに記銘群(a)において10月に雄親魚を用いて実験水(1)に対する選択行動実験を行った。その結果、(a)において7月を除く記銘群の実験水に対する嗅覚応答は、飼育水で飼育した対照群に比べて、高くなる傾向が認められた。スモルト期の4月〜6月記銘群と3月記銘群の間では有意な変化はみられなかった。さらに行動実験においても3月〜6月記銘群が実験水(1)を選択した。また、14日記銘群の実験水(1)および(2)に対する嗅覚応答は、対照群のものに比べて高くなる傾向が認められた。以上の結果、ヒメマスの母川記銘はスモルト期より前の時期を含み、記銘には7日〜14日間かかる可能性が示唆された。 2)脳波ロガーを用いたサケ科魚類の遊泳行動解析 脳波ロガーを用いて自由遊泳中のニジマスから嗅球誘起脳波の測定を行うた。麻酔下におけるニオイ刺激に対する嗅球誘起脳波をロギングしたデータを解析した結果、嗅球誘起脳波は安定して記録されており、ニオイ刺激に対する振幅の増大も鮮明に記録されていた。水槽内で自由遊泳させた場合の嗅球脳波は麻酔下のそれと比較してノイズが含まれていたが、嗅覚刺激(L-serine 10^<-4>M)に対する振幅の増大が確認された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)