ヴェトナム手工業村落の形成-考古学、民族考古学、近現代史研究からの分析-
Project/Area Number |
05J09186
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 範子 (西野 範子) Osaka University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | フーラン村 / 民族考古学 / 生産技術 / 窯業村 / ヴェトナム / キムラン村 / 大津城 / 堺環濠都市 / 合作社時代 / 陶器生産 / 窯業 / 和田理佐衛門 / 安南 / バッチャン / バックコック村 / ベトナム陶磁器 / 重ね焼き技法 / 分類と編年 |
Research Abstract |
本年度は、フーラン村の陶器を民族考古学的視点で、調査研究を行った。現在生産されている陶器に残る痕跡と生産技術の関連性、特に窯の構造や土の種類との相関関係などの視点も加え、一つの製品が完成にいたるまでにはその理由があることが明らかになりつつある。今まで、理解されていなかった土の採取の場所が、窯構造にも大きく影響を与えることが陶芸家との聞き取り調査によって確認できた。 キムラン村発掘報告書の完成に向けて、分類や統計の見直しと修正を行い、実測図面を補完していった。単なる遺跡の遺溝、遺物の紹介ではなく、生業の機能変化の背景などを含めた村落の変遷史を描いている。現在、最終段階に入っている。この報告書が完成することで一つの窯業村で生産された9世紀から18世紀までの物質文化のアッセンブリッジが明らかになり、キムラン村で生産された陶磁器の同定を可能とした。 また、ダーヴェ遺跡を踏査し、ダーヴェ遺跡の性質ががキムラン遺跡と類似することが確認できた。 また、日本の大津城や堺環濠都市遺跡で出土したヴェトナム陶磁器の研究を行った。堺はヴェトナム陶磁器が日本で最も多く出土する地点であり、ヴェトナム陶磁全体像の中で言えることは、器種や器形が限られ、丁寧に作られている陶器が多い。碗は一点ものが好まれ、茶道の茶碗として用いられ、皿に関しては懐石の可能性もあるが、菓子器として使用した可能性もある。大津城出土の青花碗、堺の印花および刻花白磁碗はともに、非常に丁寧に作られ、ヴェトナムでは出土例がないものである。特別に作らせた可能性を考える必要があることを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)