Project/Area Number |
05J09465
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 知克 大阪大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | K中間子原子核 / 原子核物理学 / カイラル対称性 |
Research Abstract |
K中間子原子核間相互作用を研究するために、本研究では飛行(K, N)反応を用いてK中間子原子核系をつくり、それぞれの反応のミッシングマススペクトルから原子核中でのK中間子の状態を観測する実験(KEK-PS E548)を高エネルギー加速器研究機構で行った。実験では標的前方に散乱された陽子を磁気スペクトロメータで、中性子をプラスチックカウンタで測定した。標的周りにはK中間子原子核が転換する際に放出されるπ中間子や陽子のエネルギーと飛跡をNaI検出器とプラスチックカウンタで測定した。申請者は実験の立ち上げの段階から参加し、測定器系、データ収集系の整備およびデータ解析を担当した。 データ解析で得られたK中間子原子核の励起エネルギースペクトルは、K中間子の束縛領域に分解能やバックグラウンドでは説明できない構造を持ち、これは原子核中にK中間子が深く束縛した状態に対応すると考えられる。スペクトルから光学ポテンシャルの情報を引き出すため、歪曲波インパルス近似法による状態計算との比較も行った。その結果、ポテンシャルの深さは160-190MeVにも達し、虚部は40-70MeV、と比較的小さい事が明らかになった。また、ポテンシャルの深さはK中間子原子核中のI=0 KN対の数に対応してほぼ変化している事もわかり、I=0のK中間子核子間相互作用がI=1のそれに比べて強く引力的であるという性質が支持する実験結果だといえる。 今年度の後半は研究成果をまとめ国内学会や研究会等での発表を中心に活動を行った。12月には京大基研で行われた国際ワークショップ(YKIS06)と、熱海で行われた研究会(特定領域研究「ストレンジネスで探るクォーク多体系」)に参加し国内外の研究者からコメントをいただいた。さらに多くの研究者に向けて成果を発表するため、三月には首都大学で行われた日本物理学会でも発表を行った。
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