Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
昨年度に引き続き,多層からなる棒状媒体に対する非破壊検査の逆問題の再構成手続きの確立に取り組んだ.昨年度は,非破壊検査の際に与える衝撃が,第1層の(境界に近い)ある点に於けるデルタ関数で記述されているとして考察したが,より実際の実験に近づけるために,今年度は,非破壊検査の際に与える衝撃がノイマン境界条件で記述されている場合について考察した.その結果,衝撃をデルタ関数で記述していたときとほぼ同様に,第1層での波の伝播を明示的に記述することができ,又,その明示的解表示を用いて,考えている逆問題の再構成手続きを与えることができた. ノイマン・データ(与える衝撃に相当する)は時間に関する関数で与えられるため,これは昨年度の結果の一般化になっている.特に,今回の研究により,このノイマン・データとしては一般の関数を扱って差し支えがないことが分かった. 又,昨年度は簡単のために半直線状の媒体を考えていたが,今回は有限区間状の媒体も扱った.第1層での波の伝播を明示的に表示するために,ロパティンスキー行列式と呼ばれる(2N)次正方行列の行列式の,Nについての一般項を明示的に求めたが,その証明の際,衝撃を与えない側の端点をディリクレ条件のしたものとノイマン条件にしたものに対するロパティンスキー行列式を並行して求めておく必要があった.又,有限区間状の場合に対するロパティンスキー行列式の明示的表示から,有限区間状の場合は,半直線状の場合の特別な場合と解釈できることも確かめた.
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