インフレーションに伴い生成される大域的磁場による宇宙のバリオン数生成に関する研究
Project/Area Number |
05J09487
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Kyoto University (2006) Osaka University (2005) |
Principal Investigator |
馬塲 一晴 (2006) 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
馬場 一晴 (2005) 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 宇宙論 / インフレーション / 磁場 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、インフレーションに伴って生成される大域的磁場による、宇宙のバリオン数生成のシナリオを確立することである。インフレーション期において、電磁場の持つ共形不変性が破られる場合、電磁場の量子揺らぎを起源として、大域的磁場が生成される可能性がある。 磁場がねじれた構造を持つ場合、磁気ヘリシティと呼ばれる、磁場とベクトルポテンシャルとの内積の体積積分に相当する物理量が存在する。電弱相転移より前の時期に磁気ヘリシティを持った大域的磁場が存在すると、量子異常効果を通じてバリオン数が生成される。一方、弦理論等の高次元時空理論から予言されるディラトン場は、電磁場と相互作用する可能性がある。また、電磁場は、高エネルギー理論から予言される擬スカラー場とも相互作用する可能性がある。この相互作用に起因して、電磁場の左右の円偏光成分の時間発展が互いに異なるため、系全体のヘリシティが変化する。 そこで本年度の研究では、電磁場がディラトン場と擬スカラー場との双方と相互作用する場合を考察し、インフレーションに伴って生成される大域的磁場の持つ磁気ヘリシティの強度を評価した。その結果、最終的に観測されているバリオン非対称が生成されることを明らかにした。そして、この研究成果を学術論文として公表し、また学会等で発表した。 また、曲がった時空における量子電気力学での1-ループの真空偏極の効果から、電磁場は重力場とも結合する可能性がある。そこで、電磁場が、ディラトン場や重力場等の背景時空での場と結合する場合を一般的に考察し、観測的に興味深い強度を持った大域的磁場が生成されるために必要な条件を明らかにした。そして、この研究成果を学術論文として公表し、また学会等で発表した。 更に、インフレーション宇宙において生成される大域的磁場のスペクトルの性質に関する考察を行い、この研究成果を学術論文として公表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)