表面ナノ構造の磁性機能設計・制御に関する理論的研究
Project/Area Number |
05J09496
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸 智弥 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピントロニクス / カーボンナノチューブ / 金属表面 / 磁性ナノワイヤー / 第一原理計算 / 磁性ナノアイランド / 半導体表面 |
Research Abstract |
次世代のエレクトロニクスとして注目されているスピントロニクスに向けて表面上のナノ構造の物性について研究を行った。これまでにデバイスを構成する最小単位のナノ構造、磁性薄膜、磁性ナノワイヤー、磁性ナノアイランドについて、安定構造、磁性、電気伝導性を調べてきた。デバイスの設計には、多様なナノ構造に対する知見を蓄積する必要がある。そこで本年度は、新たなナノ構造としてFeおよびCoナノワイヤーをチューブ外壁に吸着させたカーボンナノチューブの安定構造と磁性について研究を行った。その結果、Feナノワイヤーをカーボンナノチューブの壁面に外側から付着させた場合、Fe原子がチューブ壁面に取り込まれ、ダイヤモンドリング状になることがわかった。一方、Coナノワイヤーを吸着させた場合には、Feナノワイヤーのようなカーボンナノチューブの変形は起こらず、チューブ壁面に吸着することがわかった。この時、どちらのカーボンナノチューブもエネルギーバンドギャップは開かず、金属的性質を示すことがわかった。これは、半導体または強磁性ハーフメタルになった磁性原子を含有した場合と異なる結果であり、磁性原子の種類だけでなく、装飾方法によつても異なる物性をカーボンナノチューブに付与し得ることがわかった。さらに、Feナノワイヤー含有カーボンナノチューブをNi(111)表面に置いた場合、表面Ni原子とカーボンナノチューブ内部のFe原子が結合し、C原子間の結合が弱くなるためナノチューブの形状が崩壊し、アーチ上の構造になることがわかった。また、この時のFe原子の磁気モーメントは約2.5μ_Bとなることが分かった。この結果は、磁性ナノワイヤーを金属表面上に作製する際、Feナノワイヤーを酸化等から保護被覆する技術を提供するものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)