ヒト人工染色体の細胞への導入方法の確立およびその応用に関する生物工学的研究
Project/Area Number |
05J09774
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biofunction/Bioprocess
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute (2006) Osaka University (2005) |
Principal Investigator |
東 恒仁 (財)かずさDNA研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アルギン酸カルシウム / 人工染色体 / Schizosaccharomyces pombe / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
アルギン酸カルシウムマイクロビーズを介したヒト人工染色体の細胞への導入方法を確立するにあたり、ヒト人工染色体のvitroでの安定性を高めることが不可欠であることが判明した。そのため、染色体の形態安定に寄与するタンパク質の探索を試みた。前年度までにヒト染色体を構成するタンパク質のカタログ化に成功していることから、これらのタンパク質のノックアウトを行ない、その表現型を観察することで染色体の安定化に寄与する因子の特定を試みた。ノックアウトの容易さ、および実験の速やかさから、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeを宿主として用いることとし、ヒト染色体タンパク質の分裂酵母ホモログ約80種類の細胞内局在を調べた後、染色体に局在が見られたタンパク質を順次ノックアウトした。その結果ヒト・分裂酵母でFACT complexを形成するSSRP1の分裂酵母ホモログをノックアウトした場合に細胞分裂に重篤な障害が発生することが判明した。SSRP1と共にFACTを形成するSPT16の分裂酵母ホモログのノックアウトも試みたがノックアウトラインは得られなかった。 SSRP1ノックアウトラインでは細胞分裂速度の低下、クロマチン構造の変化が見られた。 SSRP1と相互作用するタンパク質を同定するために、two-hybrid、およびtandem affinity purification tagを用いたタンパク質精製を行なった。その結果、分裂酵母SSRP1と分裂酵母SPT16との相互作用が確認されたことから、本研究までFACTが同定されていなかった分裂酵母において、初めてFACTの存在を示した。また分裂酵母FACTと相互作用するタンパク質として、apm-1、elongation factor1-α、RNA polymerase subunitなどが同定された。 本研究により分裂酵母においてFACTがクロマチン構造の安定性に寄与していることが示唆された。FACTは保存性が非常に高いタンパク質の複合体であり、ヒトなどの高等真核生物においてもクロマチン・染色体構造の安定性や染色体分配に寄与している可能性が高いと推定されることから、ヒト人工染色体をvitroで扱うにあたり操作性を向上させることができる因子としての役割が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)