反応拡散システムによるマウス胚初期パターン形成の解析
Project/Area Number |
05J09794
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 哲也 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 左右軸 / 反応拡散 / Nodal / Lefty / マウス / 左右決定 / シミュレーション |
Research Abstract |
反応拡散波は拡散するactivatorとinhibitorによってパターン形成が起きるとするものであり、近年マウスの左右軸形成に関与するNodal, Lefty(TGF・βsuperfamily)が反応拡散波を利用している事が推測されてきたがその詳細な機構は不明であった.今回私達は、左右軸形成においてNodalとLeftyを用いた反応拡散波が利用されている事を実験とsimulationの両面から明らかにした。 私達の内臓臓器の多くは左右非対称な形態、配置をとるが、現在までに判明している発生段階での一番早い左右非対称性はマウス8.5日胚のノードに見られる.この時ノードに存在する繊毛が全て同一方向に回転する事によって右から左への体液の流れが生じる.その後左の側板中胚葉でNodal, Lefty2,Pitx2が、神経底板の左側でLefty1が発現するのであるが、なぜ右側ではどの遺伝子も発現してこないのであろうか? この疑問に答える為、今回私達は次のような新しい仮説を考え検証した.(1)ノードからは両側の側板中胚葉にシグナルが伝達される.(2)左側で先に発現が始まったNodal, Leftyが右側でのNodal発現を抑制する.この仮説を検証するためにマウス胚を用いた実験、またコンピューターシミュレーフションを用いて解析した結果、確かに仮説を証明する結果が得られた.さらにこれらの実験結果から、左右決定はやはり拡散速度の違うactivator(Nodal)とinhibitor(Lefty)を用いた反応拡散系で行われているのではないかと考えることができた。 その後左右決定を詳細に行う目的でシミュレーションを用いて解析を進めていくにつれ、マウス胚において左右が決定される時に重要な事は一体何であるのかという事をいくつか新しく発見した.これは今までの分子生物学的手法では見えてこなかった事であり、まさに「system biology」の概念を利用した解析手法である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)