強相関電子系における軌道フラストレーションと幾何学的フラストレーションの役割
Project/Area Number | 05J09872 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
吉岡 匠哉 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost : ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
Fiscal Year 2006 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
Fiscal Year 2005 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 量子相転移 / 幾何学的フラストレーション / チェッカーボード格子 / 量子・相転移 |
Research Abstract |
近年の物質合成技術の発展により幾何学的フラストレーションをもつ物質が系統的に合成され、フラストレーションの役割に再び大きな注目が集まっている。本年度は幾何学的フラストレーションを持つ系に注目し、スピン・電荷の自由度がもたらす物性を系統的に理解することを目的として研究を行った。特に、幾何学的フラストレーションのあるチェッカーボード格子上の強相関電子系を取り上げ、その基底状態について経路積分繰り込み群法を用いた解析を行った。ここで、電荷の揺らぎを抑制するパラメータとして相互作用U、フラストレーションの大きさを制御するパラメータとして正方格子に対する対角のホッピングt'を導入し、t'-U相図を作成した。その結果、Uが小さい領域において常磁性金属状態、Uが大きく、t'が小さい領域において反強磁性絶縁体状態、t'、Uの値がともに大きい領域においてプラケットシングレット絶縁体状態が実現することが明らかとなった。また、各相の境界はすべて1次の次数であり、最もフラストレーションが大きい場合のモット転移点近傍における金属相において異常な金属状態が実現することが明らかになった。この研究成果は2007年5月にアメリカのヒューストンで開かれたSCES'07 (The International Conference on Strongly Correlated Electron System)において発表した。また、この研究で実現した常磁性金属からプラケットシングレット絶縁体への1次相転移は並進対称性の破れを伴ったモット転移である。
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Report
(3results)
Research Products
(7results)