Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、特殊なアリ種に食物と巣場所を与え、そのアリに自身の被食防衛を委ねている「アリ植物-植物アリ」相利共生系と、それらを取り巻く昆虫類を材料に、3者の種間関係の解明と、種間関係の維持・創出機構に関する研究を行った。「アリ植物-植物アリ」相利共生系は、セクロピア属やオオバギ属などの異なる植物分類群で独立に進化している。本研究ではこれらの比較を行い、主に次のような成果を得た。1.セクロピア属・オオバギ属に関わらず、「アリ植物-植物アリ」相利共生系は相手種への特殊化が高い種から低い種まで存在する。調査・実験の結果、種間関係の維持機構は野外生態系に複数存在し、相手種への特殊化の強度に関連して、維持機構のパターンが異なることが明らかになった。2.共同研究者と協力して、「アリ植物-植物アリ-カイガラムシ」3者を対象に分子系統解析を行い、進化過程を検討した。その結果、種間関係の創出機構は、寄生関係から共生関係へ進化する、というような単純な進化過程でないことが明らかになった。3.これまでに採集された生物標本とそのマイクロサテライト情報を用いて、集団の構造解析を行うとともに、簡易有効集団サイズ測定方法を開発した。また、この方法を最適標本抽出方法にまで延長したプログラムを構築し、熱帯地域の国立公園管理担当者に提供した。
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昆虫DNAニュースレター 7
Pages: 5-8
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