セミインタクト細胞とGFP可視化解析を用いた小胞体ストレス応答機構の解明
Project/Area Number |
05J10746
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 亜路 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | コレステロール / ABCA1 / HDL / 動脈硬化 / 小胞体ストレス / 小胞輸送 / 小胞体 / ゴルジ体 / GFP / セミインタクト細胞 / ハイスループット / キナーゼ / 膜輸送 / 小胞体関連分解 / 膜融合 / ERES |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに膜タンパク質の細胞形質膜への輸送・ターゲティングおよび分解過程をGFP可視化し、これらの動態・輸送キネティクスなどを定量的に解析する顕微アッセイシステム(セミインタクト細胞システム〉を構築した。すなわち、形質膜上に輸送された膜タンパク質が分解を受けるまでの動態をリアルタイムで追跡するための系の確立をおこなってきた。研究代表者はこの系を用い、コレステロールトランスポーター-ABCA1で発見された遺伝病由来の変異膜タンパク質を数種類作成し、GFP可視化解析をおこなった。その結果、Q597R変異体は小胞体ストレスに応じゴルジ体を経て形質膜へ輸送される現象を見出し、当該年度にその詳細を報告した。通常、小胞体における膜タンパク質は小胞体から細胞質に排出され直接分解されると報告されているが、今回の報告はこれと並立する新たな恒常性維持機構の存在を示唆する現象といえる。Q597R変異体(以下QR)は通常状態では、小胞体関連分解(ER associated degradation : ERAD)により分解されているが、小胞体ストレス刺激に応じゴルジ体に到達し、その後形質膜まで達した。この輸送経路についてより詳細に解析したところ、ER exit site及びERGICを経由してゴルジ体に到達するという他の膜タンパク質と同様の経路を経ていることが判明した。また、この輸送と同期して糖鎖付加を受けていることも発見し、QRが細胞からは正規にフォールディングされたタンパク質として認識されていることを明らかにした。また研究代表者は、QR同様に小胞体ストレス刺激により輸送を開始するタンパク質であるATF6とその輸送キネティクスを比較したところ、QRの輸送がATF6よりも早くおこることを明らかにした。ATF6は小胞体ストレス応答に関与するタンパク質であるので、この早い応答は輸送それ自体が細胞の小胞体ストレスに対する抵抗反応であるという可能性を示唆するものである。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)