立ち現れる巨大娯楽空間-19世紀英国における「文化」の制度化と公共性
Project/Area Number |
05J10919
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊東 剛史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イギリス史 / 西洋史 / 公共性 / 自然科学 / 動物園 / 帝国 / 文化史 / 社会史 / 科学 / 娯楽 / 19世紀ロンドン / 文化の大衆化 / レジャーの商業化 |
Research Abstract |
文化の制度化を論じるにあたり重要な課題は、多種多様な人々が文化的な体験や科学知識をいかに解釈し、それが彼らの社会生活のなかでどんな意味を持ったのかを理解することである。具体的に、今年度は、人工的に構築された動物園の「自然」が、どのように文化的な資源として整備され、利用されたのかを分析し、その成果を積極的に国内外で発表してきた。まず、動物の収集活動がイギリス帝国のネットワークに依存していたことを明らかにする一方、動物園を帝国的な制度として一面的に分析する研究を批判した。近年、帝国史研究に関連して、動物園は植民地を「他者」として差異化したり、植民地支配を正当化したりする帝国的制度であると論じる研究がある。しかし、申請者は、見物客の日記などの一次史料を体系的に分析し、このような解釈は還元論的であり、動物園のもつ多面性を捉えることはできないと主張した。 さらに帝国のイデオロギーよりも、自然神学的な世界観の方が影響力を持っていたことを明らかにした。「自然」の状態に置かれた動物を観察することで、それぞれの種固有の特徴が理解され、創造主に対する畏敬の念とともに、理性の力が高まると考えられたのである。こうした教育理念は、動物学者、教育家、教師らが作成した教科書や参考書によって具体化し、広められた。しかし、当時の子供の日記や手紙からは、彼らが与えられた知識を自由に活用しながら、子供独自の様々な楽しみを生み出し、自然を理解していたことがわかった。これは、動物園の教育理念が失敗に終わったということではなく、むしろ、動物園が文化的制度として整備され、様々な目的のために利用されるようになったことを示している。また、動物園を介して科学知識が日常生活に組み込まれていく過程には、科学者だけでなく、様々な人々の主体的な関わりがあったことも明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)