資源化された宗教と喚起される信心-巡礼産業の民俗学的研究-
Project/Area Number |
05J10932
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門田 岳久 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 文化資源 / 文化産業 / 巡礼ツーリズム / フォークロリズム / ナラティブ / 聖の商品化 / 消費社会 / 民俗学 / 宗教の資源化 / ツーリズム / 民俗文化の活用 / 巡礼 |
Research Abstract |
本研究課題は近現代の社会的システム、ことに消費社会に於ける地域文化や宗教文化の変容を考察するものであり、事例として巡礼ツーリズムなどの文化観光に関する民俗学的・文化人類学的なアプローチを試みた。前年度、消費社会的システムの中での巡礼のあり方をマクロ局面から概観するために、ツアー会社への調査やマスメディア分析を行ったが、平成18年度は調査対象をよりミクロな局面へと絞り、文化観光の地域社会との関わりやツーリズムに参加する一般の人々に対する参与調査を行った。 この点を前年度に於けるマクロ局面での調査事例と接合することで、巡礼ツーリズムなどの文化観光を生み出す側の文化産業が、実際にそれらのツアーに参加する人々や地域社会にどのように受容されているのか、更に産業システムが人々の経験や信心をいかに形作っているのかという、巡礼産業側と巡礼者という二つの軸を統合して議論するための素材を確保した。また補足的な研究になるが、巡礼が生活世界に埋め込まれた習俗から、除々にツーリズムや文化財などの文脈へと取り込まれていく過程を通時的に把握するため、地方に於ける観光開発に関する歴史人類学的調査も行った。 以上の研究成果は順次公表している。『都市の暮らしの民俗学』所収論考「都市民の信心」では、近年都市在住者の注目される巡礼ツーリズムを調査分析し、一般の観光旅行商品と差異化を求め、精神的意味への渇望を持った人々が増加していることを明らかにした。また日本民俗学会談話会での口頭発表「移動と定常」では村落や地方都市に焦点を移した歴史的分析を行い、交易人や巡礼者など外部社会からの情報・物質を輸送してきた人々の役割を通史的に明らかにし、現在でも移動や旅行の経験を経た者が、農村部での社会変革を担っていると論じた(『日本民俗学』誌に発表要旨が掲載)。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)