Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は,駅構内等の歩行者の集中する空間における,歩行者のサービスレベル評価のためのシミュレーションモデルの開発を目的とする.本モデルは歩行者空間上における経路生成モデル,次にその経路を基にした経路選択モデル,そして混雑を表現する流動モデルの3つのサブモデルから構成される. 昨年度は主に経路生成・選択モデルに重点をおき,歩行者の経路選択に必要なネットワーク構造を構築した.今年度は,混雑表現のための流動モデルの精緻化を行っている. 流動モデルに関して,既存の研究では一方向に移動する歩行者の観測知見が多いものの,異なる方向に移動する歩行者の混合交通における交通量・速度・密度の関係は未だ不明瞭である.そこで,このような錯綜時の交通状況と歩行者の行動特性を調査するため,100人程度の被験者を集めて様々な状況下で混雑流を人為的に発生させる歩行者流動実験を行い,個々の歩行者の歩行行動モデルを構築した. 従来の歩行モデルは周辺歩行者の現在の位置や速度のみを用いて移動速度を決定しているが,本モデルでは周辺歩行者の近い将来の行動を予測しつつ移動する点に独自性がある.個人の行動としても,単純に現在の速度のみを決めるのではなく,「前の歩行者が通過するまで待ち,その後移動する」などの待ち行動を考慮している.提案モデルにより,従来モデルでは不安定であった交通容量近傍の歩行者の行動を表現し,自由流・混雑時を通じて交通現象の評価を行うことが可能になった. さらに,構築したモデルを上位の経路選択モデルと統合した.経路選択モデルにおいては,移動方向に応じた移動コスト評価関数を用いることで,歩行者がより効率的な移動を行い,それによって交通容量の増加が見られることを示した.最後に,駅のコンコースにおける流動データを用いて統合モデルの再現性検証を行い,本モデルが実測の混雑状況を再現可能であることを示した.
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