第一原理計算に基づくナノ構造キャパシタンスの理論解析
Project/Area Number |
05J11094
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 倫子 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 静電容量 / 第一原理計算 / トンネル電流 / 走査プローブ顕微鏡 / STM / コンダクタンス / 原子点接触構造 / 散乱状態 / NC-AFM / エネルギー散逸 / ジュール熱 / 変位電流 |
Research Abstract |
[1]STM探針一試料間静電容量を理論的に評価すると、探針一試料間距離の減少とともに静電容量が減少する非古典的な振る舞いをWangらが報告しているが、彼らは電子状態を自己無撞着に解いていない。そこで彼らの結果の妥当性を検証したところ、自己無撞着計算では距離が非常に短い領域でも、静電容量は増加し続ける振る舞いを示した。一方非自己無撞着計算を行うと、彼らと一致する静電容量が減少する振る舞いを得、この振る舞いは誘起電荷が正しく評価できないために現れることを明らかにした。また、探針先端原子に働く力を解析し、バイアス電圧印可・非印加時の各探針距離での探針の構造最適化を行ったが、探針の構造変化は静電容量の振る舞いに影響を及ぼさないことがわかった。探針と試料の原子種をAlからNaに変化させても、静電容量は距離の減少に対し増加をし続けた。 [2]金属原子点接触構造を引っ張りながらそのコンダクタンスを測定すると、量子化コンダクタンス値の整数倍を示しながら階段状に減少する。特にA1原子点接触構造が破断する直前は、階段状コンダクタンスが一時的に増加する振る舞いが観測される。本研究では、両電極からとび出た一原子同士が接触した完全なAl原子点接触構造と一電極からとび出た一原子と他方電極の平坦表面が接触したSTM探針一試料を模した系に対し破断コンダクタンスを解析した。その結果前者の構造では実験結果を再現するコンダクタンスの増加が見られるのに対し、後者では見られないという、コンダクタンスの電極表面原子構造依存性を見出した。また、静電容量を同時に評価したところ、前者の構造でははじめ静電容量が増加をした後に急激に減少するという非古典的振る舞いを示すのに対し、後者は距離の増加に伴い一様に減少した。以上から、原子点接触構造の電気特性は、電極表面原子構造に非常に敏感に変化することが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)