Project/Area Number |
05J11109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊部 昌宏 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 超対称標準模型 / 暗黒物質 / インフレーション宇宙論 / グラヴィティーノ問題 / 超対称性理論 / 元素合成 / 物質反物質非対称性 |
Research Abstract |
今年度は、主に宇宙背景放射の観測から、超対称標準模型にどのような制限が課されどのような予言を導き得るのかという問題について研究を続けて来ました。 超対称を持つように拡張された標準模型(超対称標準模型)は、大統一理論の可能性や暗黒物質の存在などから非常に興味を持たれており、次の標準模型の有力な候補です。もちろん、超対称性は現在観測されている対称性ではないので、超対称性は相転移によって自発的に破れているはずだと考えています。 一方で、宇宙初期にインフレーション期が存在したということについても、宇宙背景放射の観測結果から非常に強く支持されています。インフレーション期では宇宙が非常に大きな真空のエネルギーによって支配されるため、宇宙の膨張が加速度的になります。 私は共同研究者とともに、宇宙のインフレーション期の大きな真空のエネルギーが超対称性の相転移の仕方に大きな影響を与えてしまい、現在の宇宙とは異なる相に転移してしまう可能性を指摘しました。さらにその相転移後に大量の重力微子(重力子の超対称対)が大量に放出される問題についても指摘しました。(論文1) これらの問題は、現在もっとも盛んに研究されている模型である、超重力相互作用を通した超対称性の破れを持つ超対称標準模型の場合に特に深刻となります。そのため超対称標準模型は現在LHCで最も期待しているものとは違うものである可能性があり、超対称粒子の観測の方法についても影響を与え得る重要な結論です。また、LHCによる超対称粒子の観測結果によっては、宇宙初期の相転移の様子や、実際のインフレーションの仕方の情報を間接的に知ることが出来る非常に興味深い結論ということが出来ます。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)